今月は花のエピソード・アジサイです

「アジサイに」まつわるミステリー


「紫陽花」と書くと、いかにも美しくて、アジサイのイメージにぴったり。
でもコレは、平安時代に唐の白楽天の詩にあった「紫陽花」という花名を、強引にも
日本のアジサイに当ててしまったところから生まれたのです。
そしてなんと、当の中国の「紫陽花」という花の正体については、いまだにわからずじまいとか。
ちなみに中国では、アジサイのことを「八仙花」と呼んでいます。
けれども、この幻の花、きっとアジサイに劣らず美しかったに違いありません。
海を越えて、アジサイ浪漫


しとしとと、降りそそぐ雨にうつむきかげんのアジサイは、どこか寂しさを感じさせます。
オランダの学者シーボルト。彼もその寂しさを感じたようです。長崎の出島に滞在していた彼は、
日本原産のこの花にひどく魅了され、帰国後「」ヒドランジア・オタクサという学名を与え発表。
オタクサの由来は長く不明でしたが、これがシーボルトの愛人だった楠本滝の通称「おたきさん」に
関係する事が、お滝の肖像がに添えられたシーボルトのotaksaのサインから判明。
「大輪で、空のような美しい青い色をしているからオタクサと名付けた」と彼は語っています。
遠い日本で、ひとり寂しげにうつむいているであろうお滝への、唯一の愛情表現だったのでしょう
「あじさい娘」は、
日本へのフランス親善大使


1946年、イヴエット・ジローはシャンソン「あじさい娘」を大ヒットさせ、これが彼女の
ニックネームに。この歌は、洋品店で働いていた美しい孤児ががある日、立派な紳士に見そめられ、
馬車が迎えにきて、いつのまにか公爵婦人になってしまうというシンデレラ物語。
ジローはこの歌を地でいった歌姫。パリの放送局で働いているところをスカウトされ、
デビューした翌年すぐにこの「あじさい娘」が大ヒット。
彼女は大の日本びいきでもあり、なんと35回も来日。
自らを「35年間の戦後日本の歴史の証人」とも。日本独特の「ゆかしさとやさしさ」
を守って、と訴える彼女の温かい歌声と笑顔は、まるで、桃色の大きなアジサイのよう。